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2017年8月15日火曜日

Constellation audio VIROGを聴く。現代ハイエンドオーディオの怪



 GIYAシリーズのアップデートの連絡が来た6月某日
F社へ問い合わせると、VIRGOの良い感じの中古が出てるよと連絡が入った。
ちょうどGIYAのユニット点検(これについては次の記事で)とRossiniのリモコン受け渡しのついでにVIRGOをいきなり持ってくるつもりだったらしい。

 コンステについてはF社の試聴室で2015年にWILSONのSYSTEM6と
エントリークラスのPREAMP1.0とSTEREO1.0のコンビで試聴を行っている。
WILSONAUDIOの魔力 コンステとCHで「System6」を聴く

 その時の試聴では、スピーカーがWILSONだったせいか
コンステの空気感よりもビートやダイナミックさと言った躍動感を強く感じた。
あとPREAMP1.0の造りが案外雑であることにも気がついた。

他にも、過去4回の試聴会でVIROGⅡ、VIROGⅢをGIYAですこし体験している。
2016年にはVIRGOⅠの特価のオファーがあったのだけど
一手間に合わず先に商談が入ってしまい。結局GIYAを買った。

 縁があるようなないような距離感にもどかしさを感じつつ
ずっと気になっていたアンプだ。
ようやく自宅での試聴が出来ると聴いて心が浮ついた。

ちょうどせわしない8月が来る前、7月の夏休み気分の1週間をVIRGOの試聴に当てた。
そして8月の今日、あの凄まじい猛暑と台風、お盆を超えてようやくVIRGOの記事を書くことができた。
メモからの書き起こしで乱雑になってしまったが一応記事として上げることにした。
続きからConstellation Audio VIROGのレビュー。








 絵画から飛び出してきたようなそれは彫刻美術のようで見ていて飽きない独特の魅力がある。
パネルに表示される数字のフォントさえも独特の風貌をもったどこを見ても美しいアンプである。



格好良く撮るのは案外難しい。
いやかっこつけて俯瞰で撮ったわけではない。
操作パネルの出っ張り下側に注目して欲しい

 コンステについていつもながらに疑問に思っていたことがある。
このアンプいったい電源ボタンはどこにあるのか…?
VIROGは基本的にタッチパネルで切り替えやら設定を行うのだが
上の写真をよく見て頂くと操作パネルの下側に5つの小さなスイッチがある。
その真ん中のボタンが電源ボタンだ。押すとスタンバイ状態の切替えになる。

別に用意された電源部に主電源ボタンが付いているが
寝起きがかなり悪いVIRGOでこれは押すことはそうそうないだろう。




 曲線と直線をうまく組み合わせ上部が突き出たフォルムはどこか近代建築を思わせる。
ヨーロッパのサッカー競技場でこんな形を見たような気さえしてくる。
 筐体はアルミの削りだしなのだが、継ぎ目がほとんど分からないほどにみっちりと組み上がっている。



このコンステというメーカー、音を聴くまでもなく、
見ているだけですらユーザー楽しませてくれていて
ラックの上へ置いた瞬間、部屋の雰囲気が一変するような強いオーラを放っている。

 逆にいってしまえば、強い威圧感、オーラには普通の洋間やラックには収めたくない
そんな風にもすら思ってしまう。それほどまでにコンステの圧力は強い。

dCSのRossiniを入れたときもクアドラスパイアじゃ申し訳ないと感じていたが
コンステのVIROGもまたラックや電源機材に役不足を感じる。


Constellation audioの落ち着いたロゴ。
ロゴを入れずともこれがコンステだと言わんばかりの圧倒的な存在感がある。


コンステと言えば、ドリームチームによる設計が一つの売りで
独特の佇まいと、跳ね上がるようなお値段から絵に描いたような存在だ。

Iさんいわく、このVIROGかなり優良個体らしく
コンステにありがちな音の偏りがなくかなり良い子らしい。

というのもコンステのプリアンプに使われている光素子のボリュームは
寝起きが大変悪く、ちょっとしたことで右へ左へ偏ってしまう。
これはVIROGⅢになって改善されたのだが、このやっかいさがあの音を生んでいるというのだから罪だ。
ついでに言うと、VIROGⅢ、ピクター、プリアンプ1.0は新型ボリュームを搭載しており不具合が起きづらくなっている。
逆に言えば、VIROGのⅠとⅡに関しては個体差がかなりあり扱いはかなりめんどくさいものとなる。

このVIROGの前オーナーは電源入れっぱなしにしていたという。
コンステを扱うにおいては、VIRGOの要望にこちらがいろいろとこたえなければいけないらしい。



またボリュームゾーンにも制約があり、音が整うおいしいピークゾーンは40前後だという。
ちょうどdCSのRossiniでボリュームの微調整が出来るので
DACで少し音量を絞ってやってVIROGで最終調整といった具合だ。









リモコンは本体の筐体と同じくアルミの削り出しだ。
ずっしりと重くホールド感も申し分ない。
ボタン一つ一つのパーツも精度の高いアルミで出来ておりクリック感が心地よい。
音が寄ることを前提に作ってるのか下の方にでかでかと左右の音量調整ボタンが付いている。
液晶パネルを見るとこれもまたバランス表示がわかりやすくクッキリとでている。
これは親切なのかそれとも…


リモコンの裏側はVIRGOとおなじく凹凸が彫られている。
この感触がなんとも言えず肌にフィットして手触りが良い。
リモコン握りしめて興奮しているのもどうかと思うが
VIRGOはリモコンすらもコンステとしての演出を怠っていない。
不満を言うなら大きさに対してすこし重い事だろう。落したら床が大きく凹みそうだ。




 ハイエンドオーディオあるあるなのだけど、コンステのリモコンの効きはかなり悪い。
下の写真はVIRGOの受光部だがのどちんこのように小さく奥まっている。
そのために、コンステのプリアンプは高い位置へ置くのがセオリーだという。
つまりはラックの一番上に置けと。


受信する気のない受光部なのだが、
音量調整は基本的にリモコンで行うのがベターだ。
というのも、本体のボリュームの部は軽いトルク感があるのだけど
加速センサーというものはついておらず99から40まで音量を上げるのに
すーっとは回ってくれないあのやや粘りのあるボリュームを相当量回さないといけない。

これがリモコンだとすーっとボリュームが上がっていく。
ただしリモコンの効きは最悪の部類である。
とは言っても、一度ボリュームを決めてしまえば
8系統もある入力それぞれにボリュームの数値は保存されるのでそんなにストレスではないようだ。

さらには、マルチアンプシアター用途としても考慮しているのか
ボリュームスルー機能も付いていたりする。


 足下を見てみるとどこかで見かけたようなやたらでかくてごっついインシュレーターが付いている。
もともとは小さなゴム脚だったらしいのだけど
これはステラつながりでHRSを採用装備している。ついでに3点支持だ。
初期VIRGO以外はすべてこの特注HRSの脚が装着されているらしい。


バランス2つアンバランス2つの4系統ある出力だが、
セレクターを搭載しておらず、4系統全てから音が出っぱなしだ。
故に今回、LUXMANのC800fをアッコルドのプリ
VIRGOをG3GIYAのプリとした。

というのも、Rossiniもまたセレクターを持っておらずRCAとXLRの出力切り替えが出来ないのだ。
ダブルプリという無駄の多い贅沢な環境が整った。
どうせならアッコルドの方はデビアレのようなプリアンプが良いなと思ったり思わなかったり。


さてここまで相当長くなってしまったがようやく音について書く頃合いだ。
なにせこのVIRGOというやつは、ちょっとやそっとで語りきれるほどに簡単な作ではなく
それほどまでに作り込まれているアンプなのだ。

■試聴環境
dCS Rossini Player
↓<-NORDOST TYR XLR
Constellation audio VIROG

TRIGON DWARF
↓<-NORDOST FREY
G3 GIYA



電源を入れ、いざ聴くとすると、
居心地が悪いわと言わんばかりに機嫌を損ねた音がする。
静寂感のない音だと思うとスピーカーからはジージーとノイズが出ていた。

 ノイズの原因は、無シールドのノードストのせいなのか電源との相性なのかパワーアンプなのか
ツイーターから激しくノイズが出ている。

 最近調子の悪いトライゴンではなく、ドリームチームの一人ピーターマドニク設計のミニコンステことDPA-1と繋げたらなんとか収まってくれるのかと思いケーブルをつないでみる。
 なんということか、DPA-1とつなぐとトライゴンのDwarfよりもずっと大きくノイズが出た。

パワーアンプからノイズを拾っているのかと思い電源を無理矢理Isotekからもとってみたがこれでもまだ相変わらずノイズは発生し続けた。
逆アースになってしまっているのかAudioAlchemyのアンプに繋ぐとかなり強くノイズがでてしまっていた。
能率の悪いアッコルドでこれほどまでにジージーと煩いのだから90dBくらいのスピーカーに繋いだら悲鳴が上がりそうである。

その後、ケーブルをとっかえひっかえ入力を変えたり…試行錯誤を繰り返すも改善は見られることはなく…


それでも、ある程度の信号を送ってやるとノイズが消えるのでとりあえずの試聴を行った。


 まずはカラヤン指揮のベルリンフィルをかける。
カラヤンの美しい重厚な音まさしくこれを聴くためにこのアンプは存在しているのでは無いかと思わせるような濃厚でありつつもやわらかで軽やかなサウンド。
コンステで聴くフルオーケストラは抜群に相性が良いと言われているが確かにこの世界観は別格だ。

これはどうかと、秒速5センチメートルのサントラをかけてみる。
まるで映画冒頭の春の満開の桜並木をさわやかな風が吹くみたいに心地よい
あのとき聴いたアクシスのエアとルーメンホワイトとはまた違う色合いそして打ち香るかのようで大げさにならない巧みな演出力に感歎とする。


リファレンス曲である心の旋律を集中して聴く。
この曲をはじめて聴いたときの感動が蘇ってきた。
まさに合唱、といわんばかりの美しいハーモニーが強調される。
これまでで最も5人がしっかりと並んでいると感じるほどに説得力のある音像感。
ディテールの表現が本当に繊細で口元はもちろん身振手振までもが空気を介して伝わるようである。
以前G1GIYAを聴いたときとはまた違う秩序を感じる整列感である。
何よりまだ上を目指せたのかという心の旋律のポテンシャルに驚くばかりだ。


裏のリファレンス曲岡崎律子をかける
For RITZからForフルーツバスケット
Life Is Lovelyから春の喜び
至福の時というのはきっとこういうときのことを言うのだろう。
ストリングスが宙に舞ってたおやかに演奏している様子が夢見心地のようである。
これ以上は刺さる危ないと思うギリギリ限界を攻められ弛緩と緊張を感じる。
ぐっと音量を上げるといつもなら耳に突き刺さって苦しいはずの音が刺さる手前で止まっているようだ。
この世界には優しさしかない。神に指先が触れたようで思わず涙が出そうになる。


Pure3 feelingHeart Free and Dream
目覚めるようなダイナミックなアレンジ曲であるが
どこまでも続く奥行き表現の深さまるで地平線見ているようでリラックスする音だ。


試聴では最後にSATXの727Aと404のヘッドホンシステムで聴いたのだが
この組合わせは間違えなく天国に行けると思った矢先、ヘッドホンではどうも左からのノイズが激しく聴けるものではなかった。

メゾピアノ程度の音圧でジージーとノイズが聞こえてしまうのだけど
それですらコンステというアンプはこれほどまでに情報量豊かで
押しつけがましくなくあくまで自然体で音がそこに存在する。
モノトーンに使いやわらかな彩度感にもかかわらず掘りが深く陰影ははっきりとしている。
本調子であるならもっとSNも鮮度も高い音であると推察するのだけど
今回来たVIRGOではさすがにSN感は感じることが出来なかった。

それでも、VIRGOからLUXMANに戻すとなんとも物足りなさを感じてしまう。


 dCSとコンステでは音が柔らかすぎるという懸念があったのだけど、
コンステの前ではそのようなレベルの心配は無用のようである。

 コンステのたおやかな世界観。これはノードストやdCSの組み合わせであることも大きな要因ではあるけれど
もし完全状態のVIROGⅢやAltairⅡを聴いたら昇天してしまいそうだ。

こんなプリアンプが当初230万円で売られていたのだから今考えると恐ろしいことだ。
現在ではVIROGⅢが消費税込みで600万円を超えてしまっているけれど
覚悟があるならVIRGOもありかなと感じさせられた。

 しかしながらVIROGは取り扱いは非常に慎重に行わなければならない。
もし中古VIROGⅠ、Ⅱを検討しているなら自宅視聴はなにがなんでも行うべきである。

とんでもないヤンデレ娘である。これに嵌まってしまったらとんでもない。



なにしてもノイズ取れない。そして微かではあるがゆらゆらと音が寄る。
ヘッドホンで聴くともろに寄っているのが分かった。

オーディオをやっているというよりVIRGOに飼われている……。
Constellation audio…なんて恐ろしいオーディオメーカーなんだ。。。
いってはいけない境地を垣間見てしまったのかも知れない。

たった数日の出来事だったけれど、これほどまでにオーディオにあくせくしたのは初めてだったかもしれない。
 コンステがもたらすオーディオの愉悦、それは諭され驚き歓び、試行錯誤の末の悲しみだったり困惑だったり落胆であったり非常にバラエティに富んだ感情が頭を闊歩した。
 
 非常に気むずかしいが才のある友人といるような感覚をもたらしてくれる。
これには賛否あると思うけれど、オーディオシステムのレベルが飛躍的に向上するのは約束されているようで、
ある意味強制的に上流や電源アクセサリーだったりパワーアンプの強化や工夫が求められるようだ。

 そんなこんなでプリアンプをLuxmanのC800fに戻したら田舎料理を食べているような安らぎを感じた。
なにせ、ほしい機能はほぼ揃っているし、どんな環境でも普通以上の仕事をしてくれて
そのうえ実売で100万円を大きく切るのだから、国産アンプも捨てたものではない。

 そもそも現在のシステムが、C800fを中心にluxmanありきで構成されているのだから
VIRGOをお迎えするには少し居心地が悪かったかもしれない。
そんなのでプリアンプの買換えは難航しそうだ。


5日後Iさんがきてささっと回収していった。
F社の販売ページをみると某日借りたVIRGOはまだ誰も手を出していないようだ。







おわり。
17/07/13-18 VIRGOを自宅視聴する。

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